業務紹介
病理組織検査

 内視鏡的にあるいは手術によって採取された臓器や組織を1000分の数mmの厚さに切り、組織や細胞成分を選択的に染色します。このようにしてできた組織標本を顕微鏡により観察し、病気の種類や原因について病理医が判断します。病理組織診断の結果を基に治療方針や手術の術式が決定される事が多く悪性腫瘍の診断には欠かせない重要な検査です。検査が進められる過程で必要に応じて特定の物質や病原体などを染める特別な染色を行いますが、中でも抗原抗体反応を利用した免疫染色は目的とする細胞や物質を特異的に検出できるほか乳癌においては抗体療法やホルモン療法の適応性が判断される優れた染色法です。


乳癌組織(HE染色)
乳癌:抗体療法適応検査(HER2染色)
乳癌組織(HE染色) 乳癌:抗体療法適応検査(HER2染色)
乳癌:ホルモン療法適応検査
乳癌:ホルモン療法適応検査
(エストロゲンレセプタ−)

細胞診検査

 細胞診検査で取り扱う検体は、大きく分けて剥離細胞診(子宮頚部、子宮体部、喀痰、尿、胸水、腹水、胆汁など)と病変部より直接針を刺して細胞を採取する穿刺吸引細胞診(乳腺、甲状腺、リンパ節など)があり、身体のあらゆる材料が対象です。スライドガラスに塗抹しパパニコロウ染色したこれらの細胞を専門の細胞検査士が顕微鏡下で観察して、正常では認められない異型細胞をチェックし、更にその細胞が悪性(癌)であるか否かを細胞診指導医と共に最終判断をおこないます。
また当センターでは子宮がん検診や肺がん検診など、市町村等から依頼される各種検診による早期のがんの発見にも努めています。


日本臨床細胞学会施設認定
癌細胞(腺癌)
TOPICS H15年4月1日より
日本臨床細胞学会施設認定を受けました。 
診断は癌細胞 (腺癌)
パパニコロウ染色

電子顕微鏡検査

 通常の検査方法では診断が困難な症例や特殊な症例から採取された組織は特別な樹脂で固められ約90nmの厚さに薄切されます。薄切された組織は特殊な電子染色といわれる染色が施され最大20万倍の拡大性能を持つ透過型電子顕微鏡によりウイルスや細胞内微細構造の病的変化、特異的な構造物について、より詳細な形態学的解析を行い診断を行います。


透過型電子顕微鏡
ミクロの世界
透過型電子顕微鏡
(JEOL製 JEM-100SX ) 
ミクロの世界( Insulinoma )

術中迅速診断

 手術中、患者さんから採取された組織に対して10分程度で病理診断をつける正確さと迅速性が要求される検査です。採取された組織が悪性か良性かを決めたり、癌の広がりやリンパ節などへの転移の有無を調べるために行います。診断結果により,安全でありながら最小範囲の手術で済む場合もあり患者さんの負担は減少します。また、悪性腫瘍を完全に摘出する事が可能となりますので再手術を回避するのにも役立ち極めて重要な検査といえます。当施設では画像伝送システム(テレパソロジ−)の導入により病理医が不在の病院からの術中迅速診断の依頼にも応じております。


術中迅速診断図

遺伝子検査

 悪性腫瘍の遺伝子解析が進むなか病理検査の分野においても益々、進歩、発展していく検査技術として大きな期待が寄せられております。当施設では固定された病理組織材料や細胞診スメアから抽出されたDNAや染色体の遺伝子診断を行っております。PCR法によるHPV ,CMV ,EBV ,HSVツツガムシ病、結核菌を含む抗酸菌群のDNA検出と同定などをはじめ各種細菌、ウイルス、リケッチアなどのDNAを迅速かつ高感度に検出し病理診断の客観的な根拠として用いております。さらにPCR-SSCP法によるp53遺伝子の変異の検出や免疫グロブリンの再構成は悪性リンパ腫や悪性腫瘍の診断に極めて有効な手段として役立っております。また、FISH法では各種転座の確認や性染色体の数的異常の検出などが可能とされ、更なる活用範囲の拡大が期待されます。


PCR法
PCR法による子宮頚癌関連ウイルス(HPV)DNAの検出
PCR-SSCP法
PCR-SSCP法によるp53遺伝子変異の検出

病理解剖

 病院で行われる解剖は不幸にして亡くなられた患者さんの全身臓器に対し肉眼的および顕微鏡を用いて隅々まで調べ、生前の検査結果と臓器の状態を照合したり、直接、死至る原因となったのは何かをはじめ臨床診断や治療は適切であったか、治療効果はどのくらい有効であったか、副作用は無かったか、生前見つからなかった病気は無いかなどについて詳細に検討が加えられます